葉酸メイン画像

葉酸は妊婦さんにとって、必要不可欠な栄養素です。
この記事を読まれている方は、ある程度妊活に関心があり、葉酸が「妊婦のビタミン」と呼ばれていることもご存知かと思います。

ですが、実は妊娠してから摂り始めたのでは、最も重要な摂取タイミングには間に合わない可能性があるのをご存知でしょうか?

この記事では、元気な赤ちゃんを産むために、葉酸の基礎知識や妊娠・妊活との関係、葉酸を豊富に含む食べ物や葉酸サプリメントの選び方についてご紹介します。

妊娠してからでは遅い?妊活に葉酸が必要な理由

葉酸は細胞の増殖や再生を助け、体の発育を促す働きがあります。細胞が新しく作り出されるときに必須となる栄養素であるため、特に妊娠初期の胎児は葉酸を必要とします。

胎児の脳や脊髄のもとになる神経管は受精後6週末までに完成しますが、この間に母体に十分な葉酸が摂取されない場合、二分脊椎など神経管の先天異常リスクが高まることがわかっています。
ですが生理周期は約1ヶ月であるため、妊娠が分かった頃には、この大事な妊娠初期が過ぎてしまっている可能性があるのです。

ひと昔前は葉酸不足はそこまで深刻では無かったのですが、現代人の食生活の変化により、一般成人の必要摂取量すら満たせていないケースが多くなりました。妊娠初期には約2倍の摂取量が必要となりますので、なおさら注意が必要です。
また、母子手帳にも葉酸摂取の推奨が追記されていますが、母子手帳を受けとるタイミングは、早くても胎児の心拍が確認される6週目以降が一般的です。時既に遅しの可能性がありますね。

実際、日本での二分脊椎の発症率は増加傾向が続いています。繰り返しになりますが、葉酸は妊娠を計画したそのときから積極的にとりいれていくことが大切です。

いつからいつまで摂取すべき

厚生労働省からは、妊娠の1か月以上前からの十分な葉酸の摂取が推奨されています。このため、妊娠を計画した時点で摂取を始めるようにしましょう。

妊娠後は胎児の細胞分裂がさかんな妊娠3か月までは特に意識して摂取することが必要です。妊娠3か月を過ぎるとつわりも治まりはじめ、胎盤も安定してきます。ただ、妊娠3ヶ月をすぎれば全く葉酸を摂取しなくても良いということではありません。普段の食事にほうれん草や豆類、必要に応じてサプリメントを取り入れましょう。

また、授乳期も葉酸摂取が必要です。授乳期にお母さんの葉酸摂取が不足した場合は、赤ちゃんの発育に遅れをおよぼすことが指摘されています。

推奨される摂取量

厚生労働省が発表している食事摂取量基準によると、成人男女の葉酸の推奨摂取量は1日あたり240μg(マイクログラム)で、妊活中から妊娠初期(~妊娠3か月)にはサプリメントなどを活用し、さらに400μgの葉酸を付加的に摂取することが望ましいとされています。そして妊娠中は、食事による葉酸の推奨量240μg/日に加えてプラス240μg、産後の授乳期はプラス100μgの葉酸の摂取が推奨されています。

成人女性の1日あたりの推奨摂取量
  • 通常: 240μg
  • 妊活中~妊娠初期(3カ月):
    240μg+400μg= 640μg
  • 妊娠中(4カ月以降):
    240μg+240μg= 480μg
  • 授乳中:
    240μg+100μg= 340μg
成人男性の1日あたりの推奨摂取量
  • 通常: 240μg

男性も摂取したほうがいい?

妊活中は、パートナーの男性においても、一般成人レベルに必要とされる量の葉酸は摂取しておくことが望ましいようです。
海外の研究では、男性が葉酸を摂取することで、精子の染色体異常によい影響を及ぼす可能性が示されています。
妊活中はご夫婦で協力しながら葉酸を摂取できればよいですね。

サプリメントの活用

食べものから基準量の葉酸を摂取する場合、食材や調理方法を工夫する必要がありますので、それが毎日となるとやはり厳しいですよね。特定の食材ばかりになってしまったり、栄養バランスが崩れてしまったりすることも考えられます。
そこで上手に活用したいのがサプリメントになります。厚生労働省からも十分な摂取をするためにはサプリメントの服用が推奨されています。

また、サプリメントの嬉しい点として、葉酸以外の栄養素もバランス良く含まれていることが挙げられます。栄養素はお互いに助け合って働いているため、1つの成分だけをたくさんとっても効率よく働くことはできません。
また、葉酸に次いで妊婦が不足しがちな鉄分やDHA/EPAなどを同時に摂れるサプリもあります。

このように、同じ葉酸サプリでも含まれている栄養素は製品によって異なりますので、事前に成分を確認したうえで、自分のニーズに合ったサプリを選ぶことが大切です。

まとめ

葉酸は細胞の増殖や再生を助け、体の発育を促す働きがあります。
妊娠初期は、胎児の脳・神経・心臓など非常に重要な部分が形成される時期ですが、この時に十分な葉酸を摂取することにより、赤ちゃんの先天異常の確率を減らすことが可能です。
ただし、妊娠に気付く頃には大事な妊娠初期の期間が過ぎている可能性があるので、妊娠を計画した時点で葉酸を計画的に摂取することが大切です。

日々の食生活の中で食材や調理法を工夫したり、サプリメントを取り入れたりすることで、確実な葉酸摂取を心がけましょう。