妊婦に不可欠とされる葉酸ですが、不足した場合は赤ちゃんの先天性異常のリスクが高まると言われています。
厚生労働省が発表している食事摂取量基準によると、成人男女の葉酸の推奨摂取量は1日あたり240μg(マイクログラム)で、妊娠初期にはさらに400μgの葉酸をサプリメントなどで付加的に摂取することが望ましいそうです。
これだけの量となると、サプリメントの活用を検討する一方で、なるべく自然なかたちで食事からも摂取したいですよね。
この記事では、葉酸を効率よく摂取するために、葉酸を多く含む食べ物や、葉酸を損なわない調理方法、また毎日続けるための簡単便利なフリージング術についてご紹介していきます。
葉酸を多く含む食材は?
えだまめやモロヘイヤ、ほうれん草などの葉もの野菜に多く含まれます。
■食品100gあたりの葉酸含有量
えだまめ:320㎍(茹でると260㎍)
モロヘイヤ:250㎍(茹でると67㎍)
ほうれん草:210㎍(茹でると110㎍)
アスパラガス:190㎍(茹でると180㎍)
その他にも、海苔やワカメなどの海藻類や、きなこや納豆などの豆類からも摂取することができます。
レバーにも豊富に含まれますが、妊婦にとって摂りすぎ禁物のビタミンAも多く含んでいますのでご注意ください。
食べものから摂取する時の注意点
食べ物から葉酸を摂取しても、実際に消化吸収されて身体で働くのは約50%に留まります。頑張って野菜を食べたつもりでも、意外と吸収できていないので、注意が必要です。
- では、実際にどのくらい野菜を食べる必要があるのでしょうか?
- 1日あたり240μgの葉酸を、食べ物から摂取するためには、1日350g以上の野菜を食べることが目安となります。
また、ビタミンB12をよく含む魚介類、肉、牛乳と一緒にとることで働きが増すと言われています。
葉酸を損なわない調理法は?
葉酸は水・熱・光に弱く、調理過程で栄養を損失してしまうことが多いため、なるべく買ってきたばかりの新鮮な状態で食べることが望ましいです。
調理法のポイントとしては、
- なるべく生で!
調理をせずに生の状態で食べるのが一番効率が良い方法です。ただし、妊婦さんによっては生食の安全性が気になる方もいらっしゃると思います。生で食べる場合は鮮度の良い野菜や果物に限るなど心掛けてください。 - 長時間、水・熱にさらさない!
葉酸は水溶性なので、水にさらす時間が長いと溶け出してしまいます。スープや煮びたしなど、葉酸が溶け出ても、汁ごと食べられる料理がオススメです。
また、熱に弱いので炒めものなど、加熱する場合は短めを心がけてください。水溶きかたくり粉などで、野菜のまわりにとろみをつけると、流れ出た葉酸も無駄なく摂取できますよ。 - 加熱するなら「電子レンジ」「蒸す」「油炒め」!
茹でると葉酸が水に溶け出るため、加熱調理では電子レンジを使うor蒸すor油炒めがおすすめです。
油を使った炒めものは、流れ出た葉酸が油に包み込まれるので、逃さず食べることができます。
簡単便利なフリージングの方法
忙しいかたに是非オススメなのが、新鮮なうちに「冷凍ストック」しておくことです。葉酸を保ったまま、毎日の食事に簡単に取り入れることが可能になります。
ここでは、普段の生活に取り入れやすい代表的な野菜のフリージング&解凍方法をご紹介します。
- 葉酸含有量:生100gあたり210μg(茹でると110㎍)
1食分の目安葉酸量:
・おひたし(茹で)1人前(約50g)で約55μg
・油炒め1人前(約50g)で約70μg
■調理・冷凍方法
- ほうれん草をさっと洗い、茎と葉に切り分けます。
耐熱皿に入れ、水1/2カップを加えてラップをふんわりかけ、500w~600wの電子レンジで2分ほど加熱します。 - 冷水に浸してアクを抜き、水気を絞ります。
※水に浸すのは素早く行うのがコツです。 - 使いやすい大きさに切り、ラップで平らに包んで冷凍庫へ。
(写真は長さ4cm、約50g:葉酸は約55μg)
■保存可能期間:約3週間
■解凍方法
・冷蔵庫、または電子レンジで解凍します。
・凍ったまま味噌汁に入れて煮たり、炒めものに投入して蒸し焼きにしてもOKです。 - ほうれん草をさっと洗い、茎と葉に切り分けます。
- 葉酸含有量:生100gあたり210μg(茹でると110㎍)
1食分の目安葉酸量:
・小さい房4個(茹で約60g)で約72μg
■調理・冷凍方法
- ブロッコリーを小さい房に切り分けてからさっと洗います。耐熱皿に入れて水大さじ2を加え、ラップをふんわりかけて500w~600wの電子レンジで2分ほど加熱します。または、沸騰したお湯で1分ほど茹でましょう。
- ザルにとって水をきり、素早く冷まします。
- キッチンペーパーでしっかり水気を拭き取ったあと、荒熱が取れたら、ブロッコリーをジップ付き保存用袋に入れて、冷凍庫へ。
(写真は8房、約120g:葉酸は約144μg)
■保存可能期間:約3週間
■解凍方法
・冷蔵庫、または電子レンジで解凍します。
・凍ったままシチューの鍋で煮たり、炒めもの場合はフライパンで蒸し焼きにして解凍し、そのまま炒めるのもオススメです。
- 葉酸含有量:生100gあたり320mg(茹でると260㎍)
1食分の目安葉酸量:
・14〜16個(茹で約50g)で約130μg
■調理・冷凍方法
- 枝豆をさっと荒い、耐熱皿に入れて塩を少々まぶします。
水大さじ3をふり、ラップをふんわりかけて500w~60
0wの電子レンジで5分ほど加熱します。
茹でる場合は、沸騰したお湯に入れて4分ほど茹でます。 - ザルにとって水気をきって素早く冷まし、キッチンペーパーで水気をよく拭き取ります。密閉型の保存袋に平らに入れてから空気を抜くように口を閉じ、冷凍庫へ。
■保存可能期間:約3週間
■解凍方法
・冷蔵庫、電子レンジで解凍します。
・袋ごと流水で解凍するのもOKです。 - 枝豆をさっと荒い、耐熱皿に入れて塩を少々まぶします。
まとめ
葉酸は葉もの野菜や豆類、レバーなどに比較的多く含まれますが、光・水・熱に弱い特徴があるため、保存方法および調理方法には注意が必要です。
なるべく新鮮なうちに「冷凍ストック」して葉酸を保ち、日常の食生活に簡単に取り入れるフリージング術もオススメですので、是非ご参考にしてください。